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黒い十字架-Schwarz Kreuz-というサイトに設置しているブログです。 内容は黒い十字架の看板キャラによる小話などです。

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第二十二話:黒穢編1 蒼氷Ver.
 新聞を読んでいると気になる記事を見つけた。
 最近は物騒になって来た。










 ペラリ。

 只今の時間は朝。
 僕は毎日の日課で新聞を読んでいる。
 勿論僕が頼んだものではない。
 管理局が契約して送りつけてくれている。
 僕としてはどうでもいいのだが、彼らは僕にこれ以上世界から離れられたくないと思っているようだ。
 迷惑な話だ。
 放っておいて欲しい。
 でも暇なのは事実なので結局毎日読んでいる。

「へぇ~、大変」

 僕はとある記事に目を止めた。
「最近は犯罪者が増加中か……」
 勿論神界に犯罪者はいない。
「犯罪者が?」
「世の中物騒になって来ましたね」
 適当に相槌を打ってくるのは碧風だ。
 犯罪者が増えようとも碧風には直接関係がない。
 死んだ魂のより分け作業だから魂の数が増大しない限りは関係ないんだよね。
「地獄が大きくなってるみたいだよ」
 周囲には何も無いので少々広がったところで問題はないが、あまり広がられても邪魔だろう。
「じゃあ黒穢様は大変ですね」
「かもね」
 地獄と呼ばれる犯罪者の更生施設がある制裁部。
 犯罪者が増えて困るのが制裁部の面々だ。
「黒穢様……」
 白雲が心配そうにしている。
 白雲は真面目だね~。
「白雲、心配?」
「はい。ボクはここに修行しに来ているだけなので……」
 行きたいとは言えないだろうことはわかっていて尋ねた。
「そっか……」
 思った通りの答え。
「じゃあ行ってくる?」
「え? いいんですか?」
 白雲はとても嬉しそうな顔をした。
「うん」
「でも一人だと心配だから緋燿も連れて行っていいよ」
 そう言っておくが、実際は違う。
 ドジな白雲を一人で忙しい制裁部に送り込むわけにはいかないからだ。
 さすがにそれは黒穢に悪い。
 だからこそのスケープゴート。
「いいですか?」
 白雲に見つめられる緋燿。
「わかりました……」
 がっくりとうなだれてそう返事をした緋燿。
 思っていた通り、断れない。
 僕と碧風は手を振って見送った。

 


 夕方、元気な白雲とズタボロな緋燿が帰って来た。
 前から思っていたけど、緋燿って体力ないよね。

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