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黒い十字架-Schwarz Kreuz-というサイトに設置しているブログです。 内容は黒い十字架の看板キャラによる小話などです。

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牛な仕事
 新年あけましておめでとうございます。
 サイトに飾ってあるTOPイラストのうら話です。
 あんな格好をしているわけが語られています。
 
 蒼氷が牛に乗っているのは歩きたくないというのと、身長をごまかす役割を担っている。





「緋燿、あけましておめでとう」
「あけましておめでとう」
「――というわけで、はい」
 俺は袋を渡された。
 何か入っているようだ。
 そして蒼氷は俺に袋を渡すととっとと消えてしまった。
 そして渡された袋を開けてみる。
 中には――
「なんだ……これ……」
 どうしてこんなものが……
 そう思った俺は正常なはずだ。
 それくらい妙なものだった。
 それは服だった。
 ただの服ならまだいい……
 だがこれは――
 この白と黒の斑模様は――
 それにこの耳と角は――
「あ、あけましておめでとうございます」
 後ろから声をかけられて振り向いた。
「し、白雲さん!?」
 衣装を見て固まっていた俺に衝撃を与えた。
「そ、その格好は――」
「え? 何か変ですか」
 そう言って自分の格好をマジマジと見始める白雲さん。
 白雲さんは頭に牛の角と耳をつけ、牛柄の服を身に着けていた。
 俺が蒼氷に渡されたものと一緒だ……
 思わず黙り込むと、そこに蒼氷が現れた。
 それを見て俺は何も言えなくなった。
 蒼氷も牛柄コスチュームだった……
「ちょっと緋燿! いつまでそんな格好してるわけ?」
 怒られた。
「な、なあ……なんでこんな――」
「僕だって好きでこんな恰好するわけないでしょ!!」
 そう言いきった蒼氷の後ろには――
「牛!?」
 本物の牛がいた。
「ああ、これ? 連れて行くんだよ」
「どこに?」
「仕事に決まってるでしょ!?」
 何当たり前なこと言ってるわけ、と顔をしかめられた。
「いいからとっとと着替える!」
 急かされたのと、ちょっと蒼氷の身にまとっている空気が怖かったので着替え始めた。
「こういう事を率先してやってくれる碧風は年末で忙しいのにサボるんじゃないと連れてかれちゃったしさ」
 ムスッとしている。
「こんな格好で何をするんだ?」
「教学部を練り歩くんだよ」
「で? その牛は?」
「これ? 僕はこれに乗って行くんだよ」
 当然でしょ、と言い切られる。
「銀生に今年こそはやってくれって言われたんだよ。しかも用意周到に準備万端でさ」
 物凄く不満そうだ。
「さ、行くよ」
「はい」
「……ああ」
 着替え終わった俺は牛に乗った蒼氷とこんな格好をさせられているのに元気な白雲さんと一緒に教学部に行くことになった。
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