忍者ブログ

黒い十字架-Schwarz Kreuz-というサイトに設置しているブログです。 内容は黒い十字架の看板キャラによる小話などです。

[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

第九話:制裁の扉編2 蒼氷Ver.
 嫌な気配が近づいてくる。
 本当に忌々しい。

 蒼氷はそれを改めて感じた。












 テラスで寛いでいると、何やら黒い気配を感じた。
 とてつもなく、イヤな予感がする。
 
  ――というか、気配かな。
 
 しかたなく……しかたなく、見に行くことにする。
 緋燿じゃ対処できないだろうし。
 エントランスに向かっていると、何やら騒いでいる声が聞こえる。
 
 よく見なくても、黒い気配のもとがいた。
 
 緋燿が困っている……ようだ。
 まぁ、しかたないか。
 
「何騒いでいるわけ?」
 
 僕が声をかけると、困ったような顔をした緋燿と目が合った。
「あ、蒼氷……様」
 人間がいるためか、敬語で話す。
 
 そんなヤツ、気にする必要は全くないのに。
 
「ああ、もしや貴方様が知識と生命の神様ですか!?」
 そう言って僕に近づこうとした愚者を緋燿が掴んで止めた。
 さすがに拙いと思っているらしい。
 こういうヤツらって人の話を全く聞かないからね。
 それに、話しても、無駄。
 ならば、やることは一つ。
 
「テラスに連れて来て」
 
 僕はそう言うとテラスに戻った。
 後ろで言われたとおりにする緋燿。
 自分で対処できないだろうから、言われたとおりにするしかないよね。
 
 
 テラスに着くと僕は緋燿が封じた扉を開放する。
 
「真に望む者……我が名【蒼氷】の名のもとに道を開け」
 
 中から出てこれないように結界が張られる。
 そして扉がゆっくりと開く。
 
 漆黒の闇は、地獄への扉――
 
 そして僕は緋燿が連れて来た愚者に告げた。
「貴方の望むものはここにはない」
「そんな!!」
「望むなら先へ進むがいい」
 
 欲に目がくらんだ人間は愚かだ。
 何も考えることなく中に入る。
 この扉を長時間開けていると僕にかかる負担も大きいためとっとと入ってくれる方が助かると言えば助かる。
 
「道は閉ざされ、望みは断たれる」
 
 大きな音を立てて扉が閉じる。
 これで厄介事は消えた。
 
「忌まわしい下衆の魂が……ウザイったらないね」
 
 気分が悪くなる。
 本当に、どうしようもないヤツらは存在する。
 絶えることのない愚者の対応なんて――
 
 メンドウ以外の何ものでもない。
 
 僕はそれを改めて感じた。




PR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
 管理人のみ閲覧
 
TRACKBACK

トラックバックURL

Copyright ©  -- 闇夜の十字架-Dunkle Nacht Kreuz- --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Material by 妙の宴 / Powered by [PR]

 / 忍者ブログ