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黒い十字架-Schwarz Kreuz-というサイトに設置しているブログです。 内容は黒い十字架の看板キャラによる小話などです。

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第十五話:惨劇の料理編4 蒼氷Ver.
 白雲の料理で散々な目にあった緋燿。
 白雲の料理を何とかしようと思い立つ。
 しかし、それを蒼氷は無駄な努力として評価しなかった。











 白雲の料理は凄い。
 何が凄いのかというと全てだ。
 白雲が調理すると唯の材料が不可思議な進化を遂げる。
 同じ材料で作っても同じ作り方をしてもどうしてか、ああなる。
 そう、あの白雲の料理はどう頑張ってみてもどうにか出来るようなレベルの代物ではない。
 なんせ理解不能だ。
 僕が作ってもまずくなるだけだけど、白雲は違う。
 見た目も何かの実験のごとく変容する。
 どうしてあの材料から着色料も使用していないのに青くなったり緑になったり紫になるのだろう?
 そしてどうしてあの料理に白雲は疑問を持たないのか?
 なんせ見た目からして普通ではない。
 理解してくれたら被害者はいなくなるだろうに。
 だが、現実は厳しい。
 勿論僕ではなく緋燿にだ。
 なんせ僕はあれを食べても平気だ。
 被害は緋燿のみに絞られる。
 哀れだが、仕方がない。
 そして諦めきれない緋燿は白雲と一緒に料理を作っている。
 側にいればどうにかなると思っているのだろうか?
 はっきり言おう。
 
 無駄。
 
 側にいて、作り方を指導したって、マトモなモノからあれが出来上がるんだから。
 それに出来たものは自分の口に入るんだよ?
 緋燿がまた倒れるよね。
 全く。
 白雲の料理をなんとかするという無駄な努力をするくらいなら白雲に料理を作らせないようにする方が余程建設的だ。
 そう思いながら僕は手に持っていた本を閉じた。
 緋燿が無駄な努力を始めてから約一時間。
 そろそろ現実を思い知るはずだ。
 そう思ってキッチンに向かった。
 
 
 
 そして――――予想通り、燃え尽きている緋燿がいた。
 
「無駄だと、理解した?」
 
 緋燿は本気で泣いていた。
 神様も諦めは肝心だよ。





 

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