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黒い十字架-Schwarz Kreuz-というサイトに設置しているブログです。 内容は黒い十字架の看板キャラによる小話などです。

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第十八話:白雲編4 蒼氷Ver.
 緋燿が蒼氷に聞きたいことがあると言って来た。
 それは白雲のこと。
 また何かしたのかと思ったがそうではなく……










「蒼氷」
 テラスで寛いでいると緋燿に声をかけられた。
「何?」
「前から少し気になっていることがあったんだが……」
「気になっていること?」
 そう言われて僕は読んでいた本をテーブルの上に置いた。
「ああ、白雲さんの事なんだが……」
「白雲がどうかしたの?」
 また何かやらかしたのだろうか?
 
「――なんで白雲さんは文神なんだ?」
 
 と、思ったのだが、違った。
「ああ、そのこと」
 そういうのって気になるものなんだ。
「政務官と警務官はランクによって名前と職務が違うもんね~」
「ああ。Cランクが吏神と看神、Bランクが仕神と剣神、Aランクが文神と武神、Sランク以上が采神と闘神だろう」
「うん、そうだね」
 だから本来なら白雲は文神ではなく、采神でなければならない。
「白雲を見ててわからないかなぁ~?」
 一目瞭然なんだけど。
「白雲のドジっぷりを見ててわからない?」
「ドジって…………まさか――」
「そう。采神は政務官の最高幹部に位置している。だから重要な仕事を任されるんだよね。
 制裁部は人手が足りてない上にとても重要な部署。
 書類をダメにされるわけにはいかない。
 だからしかたなく文神という地位になってるんだよ」
 本来なら采神で、こんなところにいるべき人材ではない。
「白雲もあと千三百年もすればSSランクの昇格試験が受けられるようになるんだよね」
 SSランクになったら最高幹部の仲間入りだ。
 そうなるといつまでも文神というわけにはいかない。
「白雲なら試験は軽くパス出来るだろうけど――」
 頭はいいんだよ、白雲。
 問題になっているのはあのドジだけなんだよね。
「今の内に采神の仕事が出来るようにここで修行中なんだよ」
 ドジが減れば問題ないし。
「今のところ成果はいま一つだけどね~」
 減っては来てると思うんだけど……
「そうそう、緋燿も人のこと言えないんだからがんばりなよ」
「うぐっ――」
 毎年試験受けても落ちるってどうよ?
「試験受からない緋燿の方が余程性質が悪いってわかってる?」
 受かるように勉強教えないといけないのは僕なんだよ?
 少し頑張ってくれないと――
 実技は悪くないのに――
 
 なんでこんなに頭が悪いんだろう?
 
 僕にはちょっと理解できない世界だ。




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