黒い十字架-Schwarz Kreuz-というサイトに設置しているブログです。 内容は黒い十字架の看板キャラによる小話などです。
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第四話:上司と僕編1 蒼氷Ver.
相変わらず理不尽な行動を繰り返す蒼氷。
今回の話はそれの代表的話。
緋燿が思っているほど楽観的な思考回路はしていないが、理不尽ではある。
今回の話はそれの代表的話。
緋燿が思っているほど楽観的な思考回路はしていないが、理不尽ではある。
「はぁ……」
背が縮んでからどれ位経っただろうか?
忌々しい……
背が縮んだイコール力を失った期間なんだけど……
一人でいると気にならないんだけど……
今ここにはもう一人いる。
「緋燿ってさ、身長いくつ?」
緋燿をじっと見ながら尋ねる。
「175cmですけど?」
へぇ……175……――
「僕はね、140cmなんだよね」
……そう夜曇のせいで――
そう思うだけで腹立たしい……
僕はヤツのせいで縮んだ。
「何?」
こちらをじっと見て来る緋燿。
ロクなことを考えてなさそうな顔だ。
「いえ、小さいなと――」
ああ、やっぱり――
ばきぃ!!
あまりにも腹立たしくてついうっかりテーブルを破壊してしまった。
こんなことで無駄に力を使うなんてと思うが、ムカつくのでしょうがない。
しかたのないことだとわかっていても、自分で納得した上でしたことであろうとも、やはり不便だ。
どんなに時間が経とうとも……
「何か言ったかな?」
緋燿が硬まっている。
それはそうだろう。
うっかりテーブルを粉砕してしまったし――
「ふふふ……」
ああ、でもやっぱり我慢できない。
「僕はねぇ……見下ろされるの嫌いなんだよね」
こんなことで無駄に神術なんて使うものじゃないのに――
わかっているのに……
それほど僕はまだ元気じゃない……
でも――
《汝に求めしは忘却の姿》
――ついやってしまった。
そこにいるのは僕とたいして変わらないくらいに縮んだ緋燿の姿。
最初、何が起こったのかわからなかったようだが、すぐに気づいた。
自分の異変に――
「その通りだよ、緋燿」
大人げないことをしていることはわかっている。
わかっているのだが……
「そこまで縮めば僕のことも見下ろせまい」
僕はそう言って緋燿の前から去った。
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